ペットの余生 飼い主が安心して先立てるために 毎日新聞2005.3.12 |
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ペットは法律上、物として扱われるため、ペット自身に財産を所有する権利はない。遺言書に「ペットに財産を譲る」と書いても無効だが、ペットとともに財産を誰かに贈与し、飼育してもらうことはできる。 動物法務専門の行政書士、良子修さん(52)福岡市=は、親族などに信頼できる人がいる場合は、死ぬまで飼ってもらうことを条件に、餌代や治療費、お礼金などをつけ、ペットを遺贈する契約を結んでおくことを勧める。その場合、ペットを引き取った人がきちんと飼育するかどうか監視する第三者を書き込んだ契約書を交わす。まだ契約に至ったケースはないが、良子さんの事務所には、年間10件程度の相談があるという。 ●終生面倒見てくれる 親類や知人に飼ってくれそうな人がいないケースも多い。 キャットシッターなんり (nanricat@catsitter.jp)の南里秀子さん(46)は3年前、飼い主が死亡した場合に残されたネコを終生面倒見る「猫の森」システムを始め、東京都多摩市のマン ションに「猫の杜」をつくった。 利用するには、まず「ねこのめ友の会」に入会し、「猫の杜」を見学したり、システムの説明を受ける。弁護士が間に入って、飼い主を法定相続人、南里さんとの間で契約書を交わした後、「猫の森」の会員になれる。「猫の森」会員は亡くなったり入院などで飼えなくなった場合、ネコを「猫の杜」で養育してもらえる。「ねこのめ友の会」は年会費2000円、「猫の森」は入会金5万円で、年会費はない。「猫の杜」での養育は、1匹200万円から。 死後の財産管理や葬儀、墓などについての事務を請け負う生前契約のNPO法人「りすシステム」 (東京都千代田区、0120・889・443)にも、飼い主が亡くなった後のペットの処遇を頼むことができる。 基本契約の申込金5万円と死後事務基本型50万円に加え、ペットについては状況に応じて予算を組む。既に十数件の依頼があるという。 ●保険制度スタート NPO法人都市動物協会(東京都港区、03・3406・5266)は2月から、保険会社の団体保険の制度を利用して「飼い主責任保険制度」を始めた。 同協会会員の犬とネコの飼い主が対象で、万が一のことがあった場合、保険金が下りる。300万円と500万円の二つのプランがあり、保険料は飼い主の年齢によって変わる=表。 飼い主は、あらかじめ決めた保険金受取人(2親等以内の親族)にペットを飼ってもらうか、協会に養育を委託するかを選ぶ。受取人が飼う場合は、協会が保険会社に保険金を請求し、受取人にそのま轟し、受取人からは保険金の10%を協会に寄付してもらう。 受取人はペットを引き取ってから3カ月後、1年後、その後は1年ごとに養育状況を協会に報告する。放置や虐待が疑われる場合は、協会内の「ペット養育調査委員会」が調べ、受取人に警告することもある。 協会に養育を委託する場合は、受取人からの寄付という形で協会が保険金を受け取り、ペットを引き取る。「ペット養育調査委員会」が、実際に養育してもらう人や施設を選び、健康状態のチェックや不妊手術、再訓練などをしてから引き渡す。養育者には引き渡し時に保険金の30%、1年以内にさらに50%を支払い、20%は諸経費として協会の収入とする。 同協会理事長の河崎明さんは「飼い主の死後、多くの犬やネコが処分されている。飼い主は自分の死後についても、ペットに責任を持ってほしい。飼い主を失ったり、老齢化したペットのためのシェルターづくりも目指している」と話している。 |
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飼い主責任保障プランの掛け金の例 (保険金額300万円の場合、半年払い)
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※ここまでやるか・・・。ペットを飼うときは最後まで責任を持って。 | ||||||