我が国の小児−現状と対策 Medical Tribune 2002.10.10 特集 |
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BCG接種は生後6ヶ月までに初回接種を徹底し、学童への再接種を廃止 厚生科学審議会感染症分科会結核部会の2002年3月の提言、感染症部会・結核部会の共同調査審議に係わる合同委員会が報告書を提出、その中での小児結核対策の主要な変更点 2003年度より @小学校1年、中学1年のツ反の廃止 Aその際のツ反陰性者に対するBCG再接種は廃止 BBCGは初回接種のみとし、生後6ヶ月までにツ反を省略して行う 変更の根拠 学校検診での患者発見率がきわめて低い。2000年中1での結核患者発見は21例、そのうち学校検診での発見は13例。ツ反施行者約120万人で、発見率は10万対1.0(0.001%)。小学校1年では10万対0.3(0.0003%)である。 英国とドイツではコストとレントゲン被曝などの危険性を総合的に判断すると少なくと検診での発見率が0.05%、0.02%以下では意味がないとされている。 年間10程度の患者を見つけるために120万人に定期検診を行うことは効率的ではない。むしろ接触者検診に重点を置くべきである。 BCG再接種の効果は明かではない BCGの初回接種は重症結核に有効であることは確認されている。 ハーバード大学Colditzらによれば1264件のBCG関連の論文からBCG初回接種の結核予防効果は髄膜炎64%、全身播種性結核78%、乳児全体で74%、全結核で51%と報告した。 再接種の効果については十分な検証が行われていない。 1990年フィンランドでBCG再接種を中止したが、10〜19才の結核発病の増加は現在のところない。 アフリカのマラウイでの2重盲見試験ではBCG再接種の効果なし、HIV患者の結核罹患危険の増す可能性がありとことであった。 BCG接種後のツ反が強くなっても予防効果が上がるわけではない。 乳幼児のBCG接種前のツ反廃止の理由 乳幼児の結核患者の9割以上が有症状で発見されており、定期検診で発見されることはまれである。 2000年の発生動向調査
成人の感染者が出た場合の接触者健診が重要であることが分かる。
また0歳児でのツ反が技術的にかなり難しいことも指摘されている。すなわち多数の疑陽性を出している。 ツ反とBCGをセットで行うのは現実的ではない。初回接種についてはツ反を省略すべきだ。乳幼児120万人の負担の軽減、行政側の時間的、財政的、人的負担の軽減にも役立つ。 大都市に多い小児結核
小児結核発生件数別47都道府県数の推移(1986〜2000)
2000年の小児結核発生患者数10例以上の7県は大阪、東京、愛知、兵庫、神奈川などで、大都市部に集中している。大都市地域では小児に対する感染機会が減少していない。 以下略・・・ |