透析患者における結核治療
結核 78(7):483-485,2003より抜粋
(1)昭和60年、日本結核病学会治療委員会の指針
INH、RFPについては通常量でよい
EBについては透析終了後10mg/kgの投与
SMは0.5g週2回
(2)昭和61年、日本結核病学会シンポジウム
INHは神経障害出現の可能性あり、減量すべき→ピリドキシン100mgまたは50〜100mg/dayの大量投与で予防可能。
SMもめまいの副作用あり、週1回にすべき
(3)PZAの使用について
透析で除去されるので増量、または透析後に補充投与
●ACP(American Colledge of physcian:米国内科医会)1999年の改訂ガイドライン
 25〜30mg/kgを週3回透析前に投与し、透析後に追加投与(※日本人では多すぎる)
(4)久留米大第一内科
INH、RFP、EB、PZA 4例
INH、RFP、EBIまたはNH、RFP、SM 10例
排菌停止までの期間1.4ヶ月
なぜ透析患者に結核が多いのか?
@INF-γの低下
INF-γが透析で除去される。通常透析では血液が濃縮するので一般的に血漿中物質は濃度が上昇する。しかしINF-γは透析後減少する。INF-γは結核免疫に重要な役割をもっている。
A細胞性免疫の低下
透析患者ではツ反が陰性化するものが多い。
B末梢血リンパ球の減少