肺結核初回標準治療法
結核医療の基準とその解説より
1)初回標準治療法
 @標準治療法(A):2HRZS(またはE〉/4HR(Eを加えてもよい) 
 初期2カ月間はPZAを加えたINH・RFP・SM(またはEB)の4剤併用,
  その後INH,RFP(EBを加えてもよい)の2〜3剤併用4カ月間の合計6カ月間。
 A標準治療法(B):6HRS(またはE)/3〜6HR
 INH・RFP・SM(またはEB〉の3剤借用6カ月間,その後INH,FPの2剤借用3〜6カ月間,
  合計9〜12カ月間。(但し,SMは始めの2〜3カ月間は連日,
 B標準治療法(C):6〜9HR
  INH・RFPの2剤併用を6〜9カ月間。
2)適応基準
 @喀痰塗抹陽性症例は,標準治療法(A)または(B)を施行する。
 Aその他(喀痰塗抹陰性培養陽性または陰性気管支内視鏡下塗抹陽性,その他の症例)は病状により,標準治療法(A),(B),(C〉の中から適切なものを選択する。
私見)(A),(B),(C〉より選ぶというのは治療を実際に行うものにとって非常に困る記載・・・
抗結核薬
の種類
成人の基準投与量及び投与方法
耐性判定薬剤濃度
(単位mcg/ml)
INH  1日当たり0.2〜0.5g(誘導体の場合にはこれに相当する量)を連日投与する。
 1日1回又は2回内服する。必要に応じ筋肉内注射,静脈内注射又は局所注射とする。
RFP  1日当たり0.45gを連日投与する。
 1日1回,原則として早朝の空腹時に内服する。必要に応じ局所注射とする。
50
SM  1日当たり1.0gを週2日投与する。連日投与の場合は,1日当たり0.5〜0.75gとする。
 1日1回筋肉内に注射する。必要に応じ局所注射とする。
20
EB  1日当たり0.75g〜1.0gを連日投与する。
 1日1回又は2回内服する。
KM 1日当たり2.0gを週2日、又は1日当たり1.0gを週3日、投与する。
 1日2.0g投与の場合は朝夕2回1日1.0g投与の場合は1回、筋肉内に注射する。必要に応じて局所注射とする。
100
TH  始めは1日当たり0.3g,その後漸次増量して0.5〜0.75gを,連日投与する。
1日2回又は3回内服する。必要に応じ坐薬とする。
25
EVM  1日当たり1.Ogを,始めの3月間は連日,その後は週2日又は3日,投与する。
 1日1回筋肉内に注射する。必要に応じ局所注射とする
100
PZA  1日当たり1.5〜2.Ogを連日投与する。
 1日1回又は2回内服する。
PAS  1日当たり10〜15gを連日投与する。
 1日2回又は3回内服する。必要に応じ局所注射とする。
CS  1日当たり0.5gを連日投与する。
 1日2回内服する。
40
備考
1 この表に掲げる抗結核薬の種類のうち,「TH」とはエチオナミド又はプロチオナミドを,「CS」とはサイクロセリンをいう。
2 抗結核薬の投与量は,この表に掲げる成人の基準投与量を参考とし,患者の年齢,体重等の条件を考慮して決定する。
3 この表に掲げる耐性判定薬剤濃度において結核菌が完全耐性を示す場合には,原則としてこの表に掲げる順に従い,使用する抗結核薬の種類を変更する。ただし,TH及びCSについては,耐性検査の成績と治療効果とが必ずしも一致しないことに留意する。


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