結核入院患者の退院条件について 某結核専門病院の資料です。 これがバイブルというものではありませんが、各施設の実情に合わせて改変が必要でしょう。 |
●初回治療例の退院の条件 a)塗抹陰性かつ非空洞例:他疾患の除外並びに薬剤が副作用なく服用出来る事の確認と基礎知識の教育 (およそ3−4週間).MGITが陽性の場合は薬剤感受性の結果が判明するまで入院している事が望ましい。 b)塗抹陽性または有空洞例:薬剤が確実に服用できる事、臨床的な改善、INH・RFP両剤感受性の確認、 塗抹または4週培養の陰性化の全ての条件が満たされた場合退院可能(およそ2−3ヶ月)。 c)INHまたはRFPに耐性の場合:4週培養陰性化の確認が必要。 d)多剤耐性(INH・RFP両者耐性以上)の場合:6週培養陰性化の確認を原則とする・★塗抹・培養ともに入院時は3回連続陰性、その後は2回連続陰性である事を陰性化の目安とする. 注)a例でも耐性が疑われる場合(家族歴に耐性結核の患者がいる場合等)はbと同じ扱いをする。 後にINHand/orRFPに耐性が判明した場合再入院も考慮. ●再治療例の退院の条件 服薬コンプライアンスが悪い例も多く薬剤耐性の可能性も高いので、初回治療例よりも退院の条件を厳しくする必要がある. a)塗抹陰性かつ非空洞例:MGIT陰性かつ4過培養陰性と臨床的改善が確認できしだい退院。 培養陽性の場合、同定と薬剤感受性を確認し、適切な治療で臨床的な改善が認められている事の確認が必要. b)塗抹陽性または有空洞例:薬剤が確実に服用できる事、臨床的な改善、薬剤感受性の確認、塗抹または4週培養の陰性化の全ての条件が満たされた場合退院可能(およそ2−3ヶ月). c)INHまたはRFPに耐性の場合:4週培養陰性化の確認が必要. d)多剤耐性(INHとRFP両者耐性以上)の場合:6週培養陰性化の確認を原則とする. |