95歳の結核の治療
m3com カンファレンス 13/04/28 
【症例】95歳で、胸膜炎++ 胸水ADA高値 慢性腎不全Cre2−3mg/dl、抗結核療法は可能でか?

以下、意見のまとめ
***************************
・98歳の排菌患者さんを治療したことがあり、良くなって、退院。
・RFPもINHも粉末で内服で使った。
・INHは0.15から0.2、RFPは0.2が限度ではないか
・0.1から初めて、全身状態、検査結果を見ながら、0.05ずつ増量すればよい
・可能であれば、EBも一ヶ月くらいで量を決めればよ
・胸腔穿刺での排液を含めた全身状態の管理を適切に行うこと
**************************
・INHは200mg、RFP300mg、EB250mgぐらいで開始。
・副作用あれば減量
**************************
・排菌患者ならばINH、RFP、EBの3剤で治療すべきだが
・腎機能障害の胸膜炎患者なら、胸水のADAが高値でも、排菌無ければ胸膜炎の治療をして様子をみればいい
**************************
・高齢で肺結核を発症した透析患者(慢性腎不全末期、70歳代)に対して、1日の投与量をRFP10mg/kg, INH5mg/kg, EB15mg/kgを超えない量
・投与間隔についてはRFPは連日投与、INHとEBは透析終了時に投与(つまり3回/週)として、1年間投与した
**************************
・重症で亡くなりそうな状況であれば経過観察も可能かも知れまい
・が、高齢で慢性腎不全というだけで治療を断念しない
・INH, RFPは体重換算通りで投与
・EBは腎不全の場合の投与量および間隔が成書に記載あり
・抗結核薬投与により極端な食欲不振になることはあまりない
**************************
・EBは初期の菌減少については、INHの次に有用
・EBは抗酸菌属の細胞壁を障害する(腎機能障害
・EBはCcr30から50で48時間ごと投与
・RFPも間質性腎炎を起こしやすいので、高齢者では尿沈渣の検査を行うべ
・INHは高齢者で忍容性が低いことあり
・抗結核薬は高齢者ではまめに検査をすべき
・経口摂取困難な患者では経管で投与。
もとに戻る