デルティバ(デラマニド):約40年ぶりの新規結核治療薬 | ||
日経メディカル 2014/8/8 | ||
・2014年7月4日、新結核治療薬デラマニド(商品名デルティバ錠50mg:大塚薬品)の製造販売が承認された ・適応は「多剤耐性肺結核」 ・1回100mgを1日2回、朝・夕食後に投与 ・デラマニドは、結核菌を含む抗酸菌に特異的なミコール酸の生合成を抑制し、抗結核作用を発揮 ・最小発育阻止濃度はINHとRFPより低く、強力な抗結核活性を有する ・多剤耐性肺結核患者を対象とした試験 ・標準治療にデラマニドを2カ月間上乗せしたところ、喀痰中菌陰性化率はプラセボ群に比べ有意に高い ・2カ月以上の上乗せで有効群74.5%、 ・2カ月以下の上乗せで有効群55.0% ・既存抗結核薬と交叉耐性なし ・細胞内結核菌に対しても殺菌作用を有する ・副作用は、不眠症(12.2%)、頭痛(10.4%)、QT延長(7.1%)、傾眠(6.3%) ・重大な副作用はQT延長 ・適正使用のため、製薬会社が行うRAP(Responsible Access Program)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、医師が登録した患者にのみ使用 ・結核の標準治療では、RFP、INH、EB、PZA4剤併用による2カ月間の強化療法、その後、RFPとINHの併用による4カ月の維持療法を行う。 ・本治療レジメでの治癒率は、薬剤感受性結核患者に対しては約90%。 ・RFPとINHに耐性を有する多剤耐性肺結核患者に対するWHOのガイドライン ・EBとPZAの2剤+KM(その他注射用抗結核薬)1剤+レボフロキサシン(クラビット他)1剤の4剤以上の併用を強推奨 ・これらの治療でも治癒率が50~70%、死亡率が約25%と報告。 ・日本では、年間110~120例の多剤耐性肺結核患者が発生 ・「超多剤耐性肺結核」の割合が諸外国よりも高い ・2006年には多剤耐性肺結核患者の約29%が超多剤耐性いう調査結果が報告 |
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